みかん

おいしい蜜柑

三ケ日みかん

果汁が口内に広がると爽やかでフレッシュな気分にさせられるミカンは静岡県でも生産されているので、観光でやってきてお土産で購入していく人も多いです。ここで農家の方が精魂込めて育てているミカンはとっても甘いと評判で、お土産で頂いたら大喜びするしかありません。おいしい理由は浜松市の気候などに関係が有り、主な産地の三ケ日周辺は日光も蜜柑が喜ぶのに充分なだけ降り注ぎとても穏やかな気候で、年間を通して降雨量が少ないこともいい方向に働いています。みかん農家をこれから目指そうとしている方にはぜひ覚えておいて欲しい事柄ですが、一級品の果実を育てるにはあまりジメジメした土地は向かないのです。日の光をたくさん浴びて水はけの良い土地が好ましいのです。そんな土壌で生産されたミカンはコクも深く酸味も適度にありいくつ食べても飽きない味に育ちますので、ついつい人にも勧めたくなりお土産で買っていかれる観光客にも人気爆発となるのでしょう。

三ケ日みかん

会社の同僚や今年入ったばかりの新入社員からも蜜柑博士と呼ばれるほどの実力を持つフルーツマニア、生まれも育ちも静岡県の浜松市という生粋の浜松人なら三ケ日みかんという単語を日常的に使っているかもしれません。三ケ日みかんの発祥は江戸時代に遡り、山崎弥衛門という人が紀州から持ち帰った苗木を三ケ日にある自宅の庭に植えたことが始まりと言われています。これがすぐに広まってミカンブームともいえる現象がこの地で起こったそうです。それから数百年後に今度は加藤権兵衛さんが温州みかんの苗木を庭に植えたところ、これも人気となり競うように栽培されるようになりました。戦時中は活気を失ったみかんですが後に組合が結成されて販売強化されると再び人気を帯び、三ケ日みかんという名称も定着します。現在でもこの流れを汲んだ「柑橘頌徳祭」というみかんのためのお祭りが毎年冬の始まる時期に開催され、たくさんの農家の方や地元の方、観光客で賑わいます。

農家の愛情

芳醇で美しい味のミカンを育てるため、農家の皆さんは年中愛情を注いでまるでわが子の成長を見守るかのように手間隙かけています。たわわな蜜柑を実らすミカンの木は秋の収穫が終わると精魂果ててしまいます。なので来年の収穫に向けて再び元気を取り戻すよう肥料を与えてパワーを増やします。復活した木は春になれば美しい白い花を咲かせてやがて実をつけます。そこからは適時育った実を摘み取り、出荷に備えて寝かせることになります。浜松市の三ケ日地域に限ったことではありませんが、おいしいミカンの秘訣はこの寝かせにあるのです。摘み取ったばかりのミカンはみずみずしいのですが多量の水分を含んでいるので、日持ちしないというか傷みやすい繊細さを持ち合わせています。それを改善したほうが観光客や消費者も喜んでくれますので、一旦寝かせて水分を減らし、甘みも増した頃に出荷されます。みかん狩りなど収穫してすぐその場で食べるのならいいでしょうが、摘み取ってから味わうまでに時差がありそうなら寝かせの行程は省けません。